親って有り難いです。生きてるだけで。何かの本で読んだ気がします。親はきっと子が幸せになることを望んでます。けれど親を当てにして、自分の力で生きていかなくとも親が助けてくれる。これを味わったら自分の力で生きていくことがバカらしくなってきます。
それくらい社会は楽じゃないから、畑にいると人間のことが垣間見えます。野菜が育つとき人間が肥料を与えてしまうと植物は完全に甘えます。土の中の養分がなくとも成長できるからです。水分や養分を求めて根っこを伸ばす必要もありません。そうして育った植物はとても弱くムシに狙われます。なのでムシを追い払う(農薬をまく)ことが必要になります。
植物がどんどん弱くなっていきます。わたしはこの真逆の農法で野菜を育てています。野菜に肥料を与えず、畑の微生物を増やし、彼らと植物が協力して成長していける循環する農業です。
微生物と植物の共生です。ここまで来るとあとは勝手に野菜はできます。こんなに有り難い話はありません。けれど、そうはカンタンにいきません。ここまで来るには大変な道のりがあります。肥料や農薬を当たり前のように使う慣行農法から、無肥料、無農薬栽培に切り替える時は悲惨です。今まで人が守っていたものを外すのですから…。そんな時の野菜はまさにムシのえじきになります。
土の中のチッ素成分がなくなるまでムシに食われ続けます。そんなムシに食われている野菜を見ているとなんだか自分と重なります。
私はこれまで、親から肥料をもらい、危なくなると農薬をまいてもらい育ってきました。でも、このままでは自分が駄目になってしまうと感じました。お恥ずかしい話ですが、この歳にして、今独り立ちするために農業やってます。(皆さんから見ればきっと呆れてしまうことかとおもいます)
今のわたしはムシに食われ続けています。(笑)それは周囲から様々な批判、反感といった形になります。 当たり前ですが一歩社会にでれば一切の甘えは通用しません。いい加減な仕事をしていれば全部自分で責任をとらねばなりません。
一方ただムシに食われ続けているわけにはいきません。微生物を増やさないと独り立ちできません。私でいえば、仕事をしていくスキルを身につけていくことです。私ごとで話が長くなり申し訳ありません。苦しみながらも何とかスキルを身につけていってるような気がします。遅まきながら親離れです。
野菜たちもがんばってます。自分も負けるわけにはいきません。一年目、85農法に転換期間中の畑をみていると親近感湧いてきます。
そんな私にも3歳の子供がいます。彼には肥料や農薬ではなく炭素資材を与えたいとおもいます。人間で例えると、知識やスキルを身につけるようにしてあげる環境をつくってあげることです。手始めに私は絵本の読み聞かせをやっています。
時々自分が寝ぼけて、どこを読んでいるのかがわからなくなりますが…(笑)
絵本の読み聞かせを続けることで子供が幸せになるのであればこんなに嬉しいことありません。大人になる過程で生きていく知識と経験が身に付くようです。畑の作物と自分。どこか似ているような気がします。
今回は長くなりました。最後までお付き合い頂きありがとうございました。
fin